中高一貫校の数学・英語の特徴
数学
言うまでもなくそのスピードにあります。公立中学校ならば一学期の中間テストは「正負の数」がテスト範囲ですが、進度の速い中高一貫の中学校では「方程式」まで含む場合もあります。概ね中学内容を中2までに仕上げ、中3からは高校数学へ向かいます。このスピードに理解を伴って対応する能力が必要不可欠です。
英語
中高一貫の中学校の英語の特徴を一言いうと「大変」です。具体的には授業のスピードが速い上に量も多くとても大変です。多くの学校では、公立中学校で3年間かけて学習する内容を中2までで学習し終えます。当然スピードが速いです。加えて、英語A、英語Bのように2つ以上の科目に分けて、その分宿題の量も多くなります。これらのことからもわかるように、とにかく「大変」です。
検定教科書ではない教科書の注意点
数学
中高一貫の中学校で使用されている「体系数学」「プライム数学」「システム数学」「数BEKI」などは、検定教科書の枠から外れた内容になっています。例えば、「不等式」は検定教科書では高校1年生ですが、これらの教科書では中学1年生です。「連立方程式」は検定教科書では中学2年生ですが、これらも中学1年生です。「文字式」「一次方程式」「連立方程式」「不等式」の一連の流れは一見効率的ですが、「文字式」の段階で躓いてしまうとそれ以降の単元の理解は難しくなります。つまりこの学習の流れは、もろ刃の剣であるともいえます。
英語
中高一貫の中学校の中には検定教科書を使用している学校もありますが、近年よく使われているのが「NEW TREASURE」という教科書です。この教科書は質・量ともに極めてハイレベルで、中には簡単な大学入試レベルのものも含まれます。それ以外にも、すべて英語で書かれたテキストを使用しているケースもあります。このような教科書では、「不定詞」や「比較」といった文法用語はテキストのどこにも登場せず、文法の説明もすべて英語で書かれています。当然かなり難しいので、授業をしっかりと聞いてすぐに復習しないとあっという間についていけなくなります。
中学の授業が始まるまでに身に付けておきたいこと
数学
例えば「食塩水」の問題に算数のように“てんびん”で解ける問題もあります。しかし、限界があります。「10%の食塩水300gが容器にある。この中からxgの食塩水をくみ出し、同量の水を入れてよくかき混ぜる。さらに、xgの食塩水をくみ出したところ、残った食塩水に含まれる食塩の量は7.5gになった。xの値は?」これは2次方程式で頻出の問題で、てんびんで解くのは至難の業です。数学は、算数での〇〇算、△△算のように問題に応じて使い分けるのではなく、文字を使って問題文どおりに式を立てさえすれば解けます。大学受験における中1というのは、中学受験における小1の段階と同じです。これからの6年間の礎をしっかり作らねばなりません。そんな今だからこそ、本質的な部分の理解が必要です。中学受験問題集の基本だけで十分なので、「割合(食塩水・定価,原価)」「速さ」などの求め方を復習しておきましょう。
英語
アルファベットを書く練習と発音の練習はしておくことをお勧めします。一部の学校ではアルファベットの学習は入学前課題として課し、入学後は授業では最小限しか扱わず基本的に宿題となるケースがあります。ただ、中学に入学したてのときはbとdを逆に書いたり、LとRの発音を間違えたりする人が多くいます。こういったミスはどんなレベルの人にも必ず見受けられます。これらのミスをなくすには時間をかけて何度も練習するしかありません。入学前から最低限の練習をしておきましょう。
学校生活がスタートしてから中間テストまでに注意すべきこと
数学
とにかく、まずは計算ができること!「正負の数」「文字式」の計算はすべての土台です。計算ができなくては数学は解けません。次に、8人→a人へ、10m→bmへと具体的な数字はイメージできても抽象的な文字となるとたちまち「?」となってしまう人がいます。ただ、ここで理解していることを前提に「方程式」に入るので、文字を使って式をたてることはとても大切なことです。
英語
当たり前のことですが、言われたことをきちんとこなすことです。例えば、5回音読してくるという指示を出されたら必ず5回読んでください。これを「2回や3回でいいだろう」としない!このわずかな積み重ねが期末テスト、次の学期、次の学年...とどんどん大きくなっていき大学受験の勉強にも影響してきます。
必要に応じて夏までは保護者がサポートした方がいいこと
数学
算数を頼っていないかのチェックです。さん数で数学を解いているとこの先必ず頭を打ちます。文章題をきちんと立式して解けるよう補助してあげる必要があります。また、この方程式の解く段階でもチェックポイントはあります。例えば、方程式の計算をするときに、流れを意識しながら移項や整理をできているかです。『4×□-6=30が成り立っているとき、□にあてはまる数を求めよ。』という問題を解くときに
4×□から6を引くと30だから4×□は30+6=36になる。
□を4倍したものが36だから36÷4=9
を考えているともっと煩雑な計算になったときにお手上げです。易しい段階から機械的に解けるようにしておく必要があります。
英語
丸付けのフォローとプリントの整理です。中学1年生は、1つの単語を「10回写して覚えようね。」という指示をだされたとき、途中からbだったはずのものがdになっているということがよくあります。(例:dogと書けていたのに、途中からbogになる。)宿題の丸付けも同様で、間違っているのに気づかず〇にしてしまうことも多くあります。また、中高一貫の中学校では学校の授業でプリントが使われていることが多くあります。日頃からプリントの整理をしていないと、いざ定期テストが近づいてテスト勉強を始めようとしたときに「プリントが見当たらず勉強が始められない」ということがよくあります。ぜひ最初のうちだけはプリント整理を手伝ってあげてください。
中学1年で身に付けておくと大学受験時に役立つこと
数学
「乗り換える勇気」です。大学受験までに多くの知識を手に入れることになります。どんな場面でも始めの段階では旧知識でも対応できるので、その知識のまま通り過ぎようとする人がいます。そうして学習が進むにつれ立ち行かなくなります。新知識が登場したときは「乗り換える勇気」を持ってください。新知識が登場するということは次やその次の単元の攻略に必要だからです。横着しないでください。
英語
「音読の習慣」です。中学校1年、2年生の間は音読による恩恵を感じられないかもしれませんが、高校生になるころには、普段から音読している人とそうでない人では確実に力の差が出ます。中学1年生からでなくてもいいと思われるかしれませんが、一度悪いクセがついてしまってからそれを修正するのはかなりの労力がかかります。中学1年生の時点で正しい習慣を身に付けてください。
応用力の付け方は?
数学
「応用問題=典型問題からひねった問題」と定義すると、結局のところは典型問題をパッと解けない人が応用問題を解けるはずがありません。どの単元でも教科書や導入授業で学習する問題、つまり“典型問題”のマスターが第一です。ただし、“なぜそうするのか”が抜けてしまうと1つ1つの問題が単なる作業になってしまい。応用力を付けることはできません。典型問題の“本質”を理解しながら、かつ数多くの問題を解くことに尽きます。
英語
英語の応用力を付けるには、すべての科目において“1つ1つのことを丁寧にする”が一番近道です。特に中学1年生で学習する国語文法はきちんと習得しておくことをお勧めします。
中学校の英語は必要以上に文法用語を使わないで授業を進める習慣があります。ただ、高校生になると文法用語が一気に増えます。その際に“品詞”の理解は必要不可欠です。中学1年生の国語の授業でやったことが2~3年後の英語の授業で必要になるということは想像できないかもしれませんが事実です。
算数と数学の違いは?
数学
与えられた条件から論理的思考力を駆使して正答を導くという観点では同じです。ただ、扱う世界が異なります。算数は“具体的なもの”を扱うのに対して、数学は“抽象的なもの”を扱います。もちろん、新教育課程では“身近なものを題材に数学的に思考する”を要求されますが、ここで言う“抽象”は「文字」の存在です。中学1年生のうちは、とにかく「文字」に慣れることを意識しましょう。
ケアレスミスを減らすにはどうすれば?
数学
“careless mistake”=“うっかりミス・不注意なミス”、つまり、注意深く問題を解けばケアレスミスは減るはずです。しかし、「試験中の精神状態」「点数へのこだわり(プレッシャー)」といったことが関連してくるとうまくことは運びません。宿題や課題をしているときは注意深く解くことができても、これが試験の時間制約の中になると限界があります。
ただ、中学1年生のときはケアレスミスが多くなることがあっても、学年が上がり、年齢が上がり、精神的に大人になってくると、今度は大学受験、つまり人生を意識して減っていくものです。少しだけ長い目で見てあげることも重要です。
単語の覚え方は?
英語
最初のうちはスペルを声に出しながら何回も書きましょう。例えば、dogであれば、“ディーオージー”とアルファベットを1つずつ声に出しながら1つ1つ書いていき、最後に単語として”dog”と読み「犬」という日本語での意味を言います。これを10回、20回と繰り返しましょう。「書かなくても見たら覚えられる」という人もいるのですが、そのような勉強の仕方が身に付くと後で間違いなく苦労します。学年が上がっていくとここまでする必要はなくなっていきますが、最初は丁寧にやってみてください。
リスニングの勉強に有効なことは?
英語
リスニングができるようになるには文法力や語彙力などの最低限の知識が必要です。中学1年生・2年生のうちにできるとは限られますが、まずは「正しい発音を身に付ける」ということを心がけてください。例えば、アルファベットを学習する際に、A/aは「エー」と発音するのではなく「エイ」と発音します。1つ1つは小さなことですが、まずは中学1年生のうちにすべてのアルファベットを正しく発音できるようになること、そして1つ1つの単語を正しく読めるようになることでリスニングの勉強にもつながっていきます。